スギヒラタケの有毒成分は、下記に構造図を示した、アジリジン誘導体、3,3-dimethylaziridine-2-carboxylic acid (1)であると考えられています。 この化合物は調理の際に充分に沸騰させて加熱すれば、結合が切れて、今まで食べられてた旨味を呈するアミノ酸の一つ、3-ヒドロキシ-L-バリン (2)に変化します。
注意: この化合物以外に別の毒物が存在するかも知れないので、厚生労働省の指示に従って、腎機能の低下している方はもちろん、健康な方も「食べない」ことが究極の「安全」ですので、くれぐれも勘違いなさらないようにお願い致します。
2004年秋、日本海側の秋田、山形、新潟県で次々に脳症が報告され、その後、厚生労働省内に設けられた研究班から、スギヒラタケを食べたのが原因との指摘がすみやかになされました。 しかし、毒性物質の解明はなされないままとなっています。
日本きのこ学会(2006年9月)で発表された要旨と、それを報じた秋田県の新聞「魁(さきがけ)」の記事を以下に紹介します。
下記は秋田の新聞「さきがけ」の記事です(2006年 9月 22日付け)。 註: 記事の中で『だが、脳には達しない』とあるが、これではその後の文章へのつながりがおかしくなり、『そして、脳内にも入り、』と読み替える必要があります。